私、は昨日、めでたくチェスの兵隊の一員となった。
「ところで。どうやって戦うのか、考えているのか?」
朝食をとってきてくれたペタさんにそう言われたのが始まりだった。
「戦う・・・?私が?」
「この忌々しい世界を作った愚民を消すのだろう?」
「あ・・・・そ、そうですよね・・・・」
『消す』という言葉に底知れないモノを感じた。
「(そこまでしなくたっていいのに・・・!)」
「とりあえずこれを渡しておかなくては・・・・」
ペタが取り出したものは、指輪と腕輪だった。
指輪のほうは、昨日ロランが探していたものだった。
「これ、なんですか?」
「それは後で説明してくれる奴がいる。あとは修練の門を・・・??こっちじゃ・・・・どこだ・・・・??」
に探しているものは判らなかったが、それをなくしたことは見え見えだった。
「しょうがない。城の中の連中から『修練の門』というのを借りてきてくれ。言えばわかるはずだ。
できるだけ早く、な。」
「えっと・・・『修練の門』ですね!(やっぱりなくしたんだ)」
―――――それから数分後
「あ、誰かの部屋だ・・・・」
ドアに近づいてみると、中からは聞き覚えのある声がした。
「もうっ!あのって子・・・・」
「落ち着けよ〜キャンディス。相手はまだ子供だぜ?」
「子供だろうが関係ないわよ!!次ぎあったらどうしてやろうかしら!」
初めて聞く声もしたが、前のように怒鳴られてはうるさいので通り過ぎることにした。
「誰かいないかな・・・・。あ!」
角を曲がったところでみえたのはロランと・・・・・
喋るトマト!!!!!
「わっ・・・・この世界のトマトって喋るの!?」
「おめぇ新入りか?このハロウィン様をトマト扱いとはさぞ度胸があるんだろうな、ヒュヒュ・・・」
「ご、ごめんなさいっ!」
「そういやぁ見かけない顔だな。」
「この子が、今言ってたちゃんですよ。」
「こんなちっこいメス餓鬼が!!?こいつぁ傑作だ!!ヒュヒュヒュヒュヒュ!!!!!!!!」
「メス餓鬼・・・・・・。」
「ま、まぁまぁ二人とも。それでちゃんはこんなところでどうしたんですか?」
「えっと・・・『修ナントカの門』っていうのを借りてこなきゃいけなくて・・・」
「クスクス・・・『修練の門』ですよ。やっぱりかわいいなぁ・・・。
ごめんなさい、ボクは今ペタさんに貸しちゃってるんです。」
「おいおいロラン、ペタに貸しちゃだめだろ。ヒュヒュ・・・・
あいつはしょっちゅう物なくすからなぁ・・・もしかするかもな。」
「残念ながら、そのもしか。」
「でええええええ!?ペタさんボクの修練の門失くしちゃったんですか?!」
「話の流れじゃそうらしいな。ヒュハハ!!、他を当たれ。俺も持ってねえや。」
「はっ、はい!失礼しました!!」
ロランの横を通り過ぎるとき、優しい囁き声が聞こえた。
「そんなに警戒したり怯えたりしないでください。みんな仲間ですから。」
振り返ったときには、二人はもうどこかへ行ってしまっていた。
またしばらく歩き続けているが、なかなか人が見あたらない。
「どうしよ・・・。この城まだ慣れてないからあんまり歩きたくないんだよね」
ごつっ
角を曲がったとき、誰かとぶつかった。
カチャンと何かが床に落ちる。
「ご、ごめんなさい」
「いえ、こちらこそ・・・」
ぶつかったのは、青い髪のかわいい女の子だった。
唐突かもしれないが、聞こう。
「あのっ、修練の門持ってませんか?」
その女の子は床に落ちたアクセサリーを拾い上げた。
「これがそうですよ〜♪」
「それ、貸してもらえませんか?」
「はい、どうぞ!あなたのお名前は?」
「っていいます。」
「私はアクアです〜〜使い終わったら返してくださいね〜〜♪」
「はい!ありがとうございましたっ!」
修練の門を手に、ペタのところに駆け戻った。